News Release

発光センサータンパク質でポイント・オブ・ケア(POC)代謝物診断をする

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

ある代謝物が存在すると光る、生物工学によって作製したタンパク質センサーとデジタルカメラを使って、血中の代謝物濃度を測定する新しい方法が開発された。報告によれば、これまでの方法では検査室での分光測定が必要であったが、紙を用いた新しい分析法では、ポイント・オブ・ケアで迅速に正確な結果が得られる。多くの疾患と損傷では、代謝物の血中濃度に特徴的な変化が生じる。例えば虚血性脳卒中では、一般的に後でグルタミン酸濃度が上昇する。しかし、代謝物を測定するには臨床検査室での分析が必要であり、POCでは信頼性の高いモニタリングができないため、基礎的な医学的状況の診断と管理が遅れてしまう。この問題に対処するため、Qiuliyang Yuらは、紙を用いた代謝物分析に使用する半合成的生物発光センサータンパク質をデザインした。このタンパク質は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH、酸化された代謝物の産物)が存在すると色が変化し、デジタルカメラを使って定量できる。センサータンパク質が明るく光るほど、特定の代謝物の濃度が高い。この方法によってYuらは、わずか5μLの血液で、数分以内にPOCでフェニルケトン尿症患者の血中のフェニルアラニン濃度を測定できた。このPOC分析を検証するため、Yuらはフェニルアラニンを添加した全血を分析し、検査室での方法で行った平行測定と比較した。POC分析の結果は、標準的な臨床検査室で行った分析の結果と非常に一致しており、この方法の精度が実証された。Yuらは、この方法が、炭水化物、アルコール、脂質、アミノ酸、コレステロールなどのさまざまな代謝物に適していることを示唆している。また、この方法は簡単なため、将来的には患者による自己検査も可能になるかもしれない。

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