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出生後の脳におけるニューロンの遅延性送達が若年期の可塑性の原因かもしれない

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

乳児期に抑制性回路が確立されているとき、ニューロンがヒトの前頭葉に向けてまだ移動していることが新しい研究で報告された。小児が環境と相互作用し始める、誕生後最初の数ヵ月間は、ヒトの脳の発達に重要であり、Mercedes Paredesらが報告した、この抑制性ニューロンの前頭皮質への遅延性の組み入れは、出生後早期のヒト発達でみられる遅い時期の可塑性と関連している可能性がある。Paredesらは今回、3ヵ月齢未満の小児の死後脳検体を解析し、ニューロンの移動と関連があるマーカー、ダブルコルチン(DCX)を発現しているニューロンを追跡した。生きている乳児のMRIイメージングと組み合わせたこの死後解析により、生後、弓型経路内を前頭葉(社会的行動や実行機能に重要な脳領域)に移動する前の、脳室近傍で生じる一群のニューロンが存在することが明らかになった。これらの遊走細胞数は、生後7ヵ月間に減少した。これらの細胞は、主に抑制性神経伝達物質γ-アミノ酪酸(GABA)に関連したマーカーを発現していたが、これらの遊走細胞の転写因子を解析したところ、前頭葉に到着するまでは最終的な特徴を有していないことが明らかになった。関連したPerspectiveで、Melissa McKenzieとGord Fishelが、「ヒトに介在ニューロンの予備があるなら、正常状態や病態生理学的状態での可塑性に寄与する可能性は相当大きいだろう」と指摘している。

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