News Release

わずか少数の細菌群が世界的に土壌を占拠している

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

6大陸にわたる土壌の調査により、世界の土壌で一貫して見られる細菌分類群は非常に少ないことが判明した。数十年間前から入手できていた植物や動物の地図と比べ、今回の研究は土壌細菌の世界分布図としては初めてのものとなる。注目すべきは、今回の調査で確認されたかなりの割合の優勢な細菌表現型は既知の細菌ゲノムとは遺伝子的にかなり異なっていたことで、これは数の多い細菌群についてでさえ分かっていることがいかに少ないかを示している。土壌細菌は地球の炭素動態、養分循環および植物生産性の調節に重要な役割を果たしている。しかし土壌細菌集団は多様性が非常に大きく、それゆえに個々の分類群の特徴を明らかにしたり、世界での分布を表したりすることは困難であった。最も多い細菌表現型‐およびそれらの環境選択性‐についてより総合的に理解することで、場所や時間や人為的変化への反応で土壌細菌集団が多様化する仕組みについてより良いモデルを構築することができる。Manuel Delgado-Baquerizoらは今回6大陸237地域の土壌を分析し、わずか2%(つまり25,224中511)の細菌表現型が抽出した土壌細菌集団の約半数に一貫して確認されることを発見した。つまり、土壌細菌集団の多様性は圧倒的に大きいにもかかわらず、数の多い分類群は比較的少なく、そういった分類群が幅広い土壌型の全域で見られるのである。Delgado-Baquerizoらは十数以上の環境要因を調査し、一般的に細菌の種類は高pH、低pH、乾燥地、低植物生産性、乾燥した森という5つの主要な環境の「選択性」に基づいて分類できることを発見した。今回の研究結果は、土壌微生物とそれらの生態系機能への貢献についての理解を深めることを目指した取り組みにとって重要な標的となる分類群へと莫大な数の細菌分類群を絞り込むものであった。

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