News Release

高解像度脳補綴によりサルが人工的な形状認識を行ったことが示された

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

脳を刺激する1000個を超える小さな電極を詰め込んだ移植片により、サルの意識において、動きと複雑な形状(アルファベットの文字を含む)が認識された。この新しい研究は、視覚野の電気的な微小刺激を用いて人工視覚の一種を生じさせることの概念実証を提供している。ヒトの皮質視覚補綴物(cortical visual prostheses:CVPs)が利用可能になるまでに克服すべき技術的な障害はいくつか残されているが、この知見は、このデバイスがいつの日か、世界中の4千万人を超える盲目の人に有用な視覚機能を提供できるかもしれないという希望を示している。ヒトと動物を用いた実験で、視覚野の電気刺激により、高い信頼性で短時間の明るい閃光(眼内閃光としても知られる)を認識させることが可能なことが示されており、眼内閃光は、刺激されたニューロンに応じて特異的な位置とサイズで認識される。この前提からCVPのデザインの基礎が構築された。CVPは、カメラの映像をパターン化した脳刺激に変換して、盲人に人工的な視覚認識の一種を生じさせることを理想としている。しかし、多くの研究は電極の位置と所要電力により制限され、同時に安全に刺激できる数が少なく、そのために比較的単純な眼内閃光の知覚対象しか惹起できない。今回、Xing Chenらが1024個の縦横パターンで配置した皮質内電極を含む高解像度神経補綴物について報告した。このシステムをテストするため、Chenらは、文字を含む特定の形状を認識するよう訓練したマカクザル2匹の視覚野にこのデバイスを植え込んだ。次に、数百の電極を同時に刺激し、眼内閃光を用いてサルの知覚に形状を再現し、サルが視覚的に提示されたかのようにこの形状を直ちに認識したことを明らかにした。「Chenらは、1000個の電極で十分に文字、方向、動きの知覚対象を作成できることを示すことで、次世代CVPの新しい基準を設定した。」と、関連するPerspectiveでMichael BeauchampとDaniel Yoshorが述べている。

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