American Association for the Advancement of Science (AAAS)
サンゴの骨格は非生物的ではなく、生物的に制御されたプロセスによって形成されるとする新たな研究報告があり、これまで長い間続いてきたサンゴの骨格形成に関する議論が解決へと一歩近づいた。サンゴは海洋酸性化や温暖化等によって危機に曝されているが、このような危機の規模を予測するためには、サンゴの炭酸カルシウムの骨格がどのように形成されるのかを理解することが不可欠である。サンゴが炭酸カルシウムの骨格をアラゴナイトの形で沈着させる方法に関しては、2つの有力な説が存在する。1つ目の説は化学的に生じる無機的経路によるもので、もう1つは生物的に制御されたメカニズムによるものである。骨格形成の過程をより深く理解するために、Stanislas Von Euwらは様々な種類の画像処理技術を用いてインド太平洋で一般的に見られるサンゴの種類であるStylophora pistillataの骨格形成について調べた。詳細な画像処理により、骨格繊維は有機物から生じていることが明らかになった。この有機物の表面に沿って「未熟な」アラゴナイト粒子が存在しており、サンゴの構造の前身となる役割を果たしている、と著者らは報告している。今回の結果は、海洋酸性化が進行した場合においても、サンゴがアラゴナイトの骨格を形成する代謝能力はこれまで思われていた以上に保持される可能性があることを示唆している。
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