News Release

トレンドセッターがいないとヒツジはついていかない

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい技術が幅広く採用されるには、多くの場合、人々の中で主導権を握る少数のサブ集団が重要となるが、自発的な早期採用者(natural early adopter:NEA)たちがそうできない、あるいは採用しないことを選択する時には何が起きているのだろうか?このPolicy ForumでChristian CataliniとCatherine Tuckerは、デジタル貨幣の一種であるビットコインを用いた実験の結果を紹介している。この所見によれば、NEAが新しい技術を採用できない場合、その集団の残りの成員における採用に対して負のカスケード効果を与え得るという。2014年に、マサチューセッツ工科大学(MIT)は数千人の学部生に100ドルのビットコインを与え、ただし一部の学生には、他の学生がビットコインへのアクセスを与えられてから2週間後にアクセスが与えられた。学生は、彼らがどの程度NEAであるのかを判定する調査票に回答した。ビットコインにアクセスできるようになって2週間後に、後から自発的に技術を採用した人たちのコイン利用率は、アクセスを与えられたのが最初であるか遅れてであるかにかかわらず、ほとんど同じであった。しかしNEAたちでは、遅れてアクセスを与えられた場合にはコイン利用率が11%から18%へと有意に上昇した。このことは、このNEAたちは、自分たちが最初にアクセスを与えられなければ、その技術を使うのをやめる割合が非常に高くなることを意味する。著者らは、こうした傾向に対して社会的因子が影響するかどうかを検討した結果、このことが確認された。たとえば、少人数の学生寮ほどこの効果が大きく、アクセスが遅くなる学生が多かった。著者らはまた拡散効果も認め、アクセスの遅いNEAの割合が高い学生寮ではそうしたNEAの割合が低い学生寮よりも、ビットコイン使用の経時的な低下が速かった。

###


Disclaimer: AAAS and EurekAlert! are not responsible for the accuracy of news releases posted to EurekAlert! by contributing institutions or for the use of any information through the EurekAlert system.