News Release

連星中性子星の合体によって生成された物質のコンパクトなジェット

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

電波望遠鏡の地球規模のネットワークを使用して、連星中性子星の合体事象GW170817によって光速に近い速度で膨張する物質のジェットが生成されたことを研究者たちが明らかにしたと新たな研究で報告されている。地球から1億3000万光年離れた銀河において、1対の中性子星が合体した。この衝突合体によって重力波および電磁放射線が放射され、2017年8月、地球上で望遠鏡および重力波検出器によって検出された。最初の数日間の放射からは、この合体中およびその後に噴出された物質の放射性崩壊をエネルギー源とする放射であるキロノバによって生成されたことが示唆された。しかしながら、初期検出後の数週間、増大するX線および電波の放射が検出され、数ヵ月にわたって引き続き観測された。これらの長期間にわたる放射はこの合体の「残光」であると解釈され、膨張する排出された物質と周囲の星間ガスの間の相互作用であるこが示唆された。しかしながら、今回の論文の著者らによると、これらの放射の発生源のサイズを決定するために必要な分解能が以前のデータには無かったため、この残光の放射がどのようにして創り出されたかは十分に理解されないままであった。Giancarlo Ghirlandaらは5大陸に跨る32基の電波望遠鏡から成るアレーを使用して、この合体から207.4日後に今回の無線残光を観測した。Ghirlandaらは超長基線干渉法(VLBI)という手法により、この発生源の角サイズを制約するためにすべての電波望遠鏡から得られたデータを組み合わせた。その結果、この電波発生源の角サイズおよび位置が、一部で示唆されていた「チョークドジェット」または「コクーン」という筋書きによるモデルと整合しないことが示唆された。むしろ、ほぼ光速で膨張する物質の構造化ジェットがGW170817によって生成され、この合体による周辺の噴出物を突き抜けて彼方の星間空間に出ることができたことがこれらのデータによって示唆された。

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