News Release

藻類毒素はアシカの記憶や採餌を阻害する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Algal Toxin Impairs Sea Lion Memory and Foraging (3 of 3)

video: A wild sea lion performing a spatial alternation task during rehabilitation. She receives a fish for each correct choice. All training and testing was performed without direct human contact to promote successful release back to the wild. This material relates to a paper that appeared in the Dec. 18, 2015, issue of Science, published by AAAS. The paper, by Peter Cook at Emory University in Atlanta, GA, and colleagues was titled, 'Algal toxin impairs sea lion memory and hippocampal connectivity, with implications for strandings.' view more 

Credit: Wharton Media

新しい研究によって、藻類の生産する神経毒が、カリフォルニアアシカの記憶を混乱させていることが示された。このアシカは餌が豊富な場所を覚えておいて、採餌の際にその記憶に頼るところが大きい。この研究結果から、ここ数年アシカで観察されている方向感覚の低下(座礁増加の原因とされている)が説明できる。カリフォルニア沖では、ドウモイ酸(DA)という神経毒による中毒が、海洋動物にとって大きな問題になっている。環境変化と海洋システムへの人為的影響の結果として、DA生産藻類の異常発生が規模・頻度ともに近年増加しており、問題は悪化している。アシカがDAに曝露すると、発作を起こして場合によっては死ぬことさえあるのは知られているが、死に至らない影響(行動への影響など)はあまり知られていない。今回Peter Cookらは、DAに曝露した結果リハビリ施設に運び込まれた野生のカリフォルニアアシカを研究した。磁気共鳴映像法を用いて、アシカの海馬領域の構造異常を調べたところ、全体に損傷が見つかったという。損傷は、右背側海馬という、他の種では空間記憶に関わることがわかっている脳の領域にも見られた。彼らは2つの空間記憶課題(4つの候補場所からご褒美の餌を探す課題など)についてアシカを訓練した。彼らの報告によると、右海馬の損傷が大きいほど記憶課題の成績は不振だったという。座礁したアシカの海馬体積を測定すれば、リハビリ施設から海に戻した場合に、そのアシカがどの程度うまくやっているかの有効な指標になるだろう、と彼らは示唆している。この研究の結果は、DAに自然に曝露したその他の野生動物(海鳥やクジラやイルカなど)にも当てはまるという。

報道解禁日時が特例なので要注意:Peter Cookらによる論文"Algal toxin impairs sea lion memory and hippocampal connectivity, with implications for strandings(藻類毒素はアシカの記憶および海馬結合を阻害し、座礁に影響を与える)"の報道解禁日時は、12月14日(月)の米国東部標準時午後2時30分/太平洋標準時午前11時30分です。これは、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催される海棲哺乳類学会の第21回隔年会議について、報道を予定されている報道関係者に便宜を図っての措置です。この会議において、本論文に関連した講演が、12月14日(月)の米国東部標準時午後2時30分/太平洋標準時午前11時30分に行われます。講演直後の米国東部標準時午後3時30分/太平洋標準時午後12時30分に、Cookらは記者会見を開き、Cookの講演中に答えられなかった質問に答える予定です。記者会見は同ホテル(ヒルトン・サンフランシスコ・ユニオン・スクエア)のユニオン・スクエア5号室にて行います。注意:この会議のハッシュタグは「#MarMam15」です。

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