News Release

廃水注入量が誘発地震の最大要因

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

このニュースリリースには、英語で提供されています。

米国の注入井が地震活動に及ぼす影響について理解を深めるための新しい研究では、廃水注入量を決定的な要因として挙げている。この研究によると、分析したなかで廃水量が最も多かった廃水処理井は、廃水量の少ない井戸に比べて2倍近く地震事象を伴いやすかったという。地震は工業プロセスによって誘発されうるという事実は、数十年前に実証されている。米国内陸部で地震活動が急増し始めた2009年以降、石油とガスの採掘に伴う地下液体注入過程による誘発地震が大いに注目されている。地震活動と注入井の関係を評価する先行研究では、地域が限定されており、明確な地震のごく近辺にある井戸に注目していた。今回、任意の注入井に関連する誘発地震活動の可能性について理解を深める目的で、誘発地震現象をもっと広範囲に調査するために、M. Weingartenらは米国の中央部および東部にある稼働中の井戸について、公表されているデータを利用した。これらの井戸(地震を伴う井戸と伴わない井戸の両方)について稼働状況のさまざまな違いを分析した結果、誘発地震イベントを引き起こすと仮定される井戸関連のパラメータ(累積廃水注入量や坑口部の注入圧力など)のなかで、注入量だけが強い相関性を示すことを見出した。著者らは、注入量以外の要因――地域特有の圧力状況など――も井戸が地震を引き起こす確率に関与していることは認めているが、注入量は、石油・ガス産業が有害な地震イベントの確率を低くするために使用できる重要なパラメータであると示唆している。

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Article #10: "High-rate injection is associated with the increase in U.S. mid-continent seismicity," by M. Weingarten; S. Ge at University of Colorado in Boulder, CO; J.W. Godt at United States Geological Survey in Denver, CO; B.A. Bekins; J.L. Rubinstein at United States Geological Survey in Menlo Park, CA.


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