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隠れた初期植物の進化のゆりかご、中東で発見

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

現在のヨルダンで新しい植物の化石が発見されたことにより、重要な種子植物系統の時代が後倒しになり、これらの系統がペルム紀末の大量絶滅を生き残ったことが示された。化石が出にくい地域に異例にも保存されていたこれらの化石の発見で、ペルム紀の熱帯という生息環境が植物進化の「密かなゆりかご」であったことや、現代のマツの最古の祖先といった主要種子植物系統の進化も例示された。今回の報告によると、この発見によって、後に中生代の地球で繁栄するようになった種子植物系統の起源について希少な価値ある知見が得られたという。今日の熱帯環境は、過去にもそうだったように地球上で最も生物の多様性が豊かな地域で、より緯度の高い地域と比較して、初期の生物多様化の中心として重要な地域だと考えられている。熱帯のこの豊かな生物多様性を説明するこれまでの説に、古代の赤道付近の生態系がいわゆる「進化のゆりかご」として機能し、他の地域より速いスピードで新しい系統を生み出していたという説があるが、これがどの程度であったのかについては様々な議論が交わされている。解明できないのは、干ばつが発生しやすい熱帯の生息地では化石がほぼ保存されないため、これらの地域には古植物学的証拠がないことが主な理由である。しかしPatrick Blomenkemperらは、死海の東海岸で例外的に保存されていたペルム紀末の植物の化石が露出していたのを多数発見したと報告した。2億5千万年以上も前の様々な化石には、現存する球果植物で2番目に大きいマキ科など、3つの主要種子植物系統の最古の記録が含まれている。Blomenkemperらによると、今回の発見は干ばつの起こりやすい熱帯の生息地が初期植物の多様化にとって進化のゆりかごの役割を確かに果していたことを示しているという。加えて、これらの植物系統はペルム紀末の大量絶滅を生き残ったと考えられると述べている。今回の結果は、陸生植物、およびおそらくそれらを支えた生物群集はこれまで考えられてきた以上に回復力があったことを示唆している。

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