News Release

避難所模擬環境が睡眠に与える影響

~冬の避難所は寒過ぎる?~

Peer-Reviewed Publication

Toyohashi University of Technology (TUT)

Sleeping Environments

image: Toyohashi University of Technology researchers conducted an experiment on the nature of sleep in an evacuation shelter environment. This experiment was performed by creating a mock shelter in the university's gymnasium with four of the emergency blankets as well as a standard futon set. The results showed that the low temperature (5°C) inside the gymnasium affected subjects' sleep and body temperature regulation, reducing sleep efficiency by 10% and increasing fatigue. view more 

Credit: COPYRIGHT (C) TOYOHASHI UNIVERSITY OF TECHNOLOGY. ALL RIGHTS RESERVED.

豊橋技術科学大学建築・都市システム学系建築環境工学研究室では、室内環境が居住者に及ぼす影響に関しての研究を実施している。その中で、本学体育館を使用し、避難所模擬環境での睡眠実験を行い、現状具備されている災害救助用毛布4枚と一般的な布団1組を使用して就寝した場合を自宅睡眠と比較した。その結果、体育館内の低温(5℃)が睡眠と体温調節に影響を及ぼし、睡眠効率を10%低下させ、疲労感を増やすことを明らかにした。

近年、大規模災害の発生率が高く、避難所や仮設住宅等で生活が強いられる場合が増えている。スフィア・プロジェクトを受けて内閣府が「避難所運営ガイドライン」を公表しているが、具体的な寝具や温熱環境、停電時等については記載されていない。避難所などの大空間は不均一熱環境になりやすく、また、停電も起こると考えられ、非暖房ゆえに低温になると推測される。そのため、非住宅や仮設住宅での睡眠や生活環境を想定した研究や停電時を想定した研究が必要であると考え、本学体育館を使用し、避難所模擬環境での睡眠実験を行い、自宅での睡眠と比較した。

その結果から、体育館に具備されている災害救助用毛布を4枚使ったとしても断熱性が不十分であり、普段の睡眠に比べ、睡眠効率を10%以上低下させ、疲労感を増すことが明らかになった。実験詳細について、会見にて報告する。

今回の実験は、冬の体育館での低温(5℃)は、災害救助用毛布という限られた寝具を使用した場合、10%睡眠効率を低下させたことを示し、低温は睡眠に悪影響を及ぼすことが明らかになった。今後は、低温での睡眠を悪化させないために、災害救助用毛布に加え、現実的なダウンコートなど着衣による体温調節補助や睡眠支援について検討していきたいと考えている。

この研究は公益財団法人 日比科学技術振興財団の研究助成(H30)を受けて実施された。財団関係者の皆様に心より感謝いたします。また、本研究は現在、科研費(19H02296)によってサポートされている。

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