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地球上のかなりの割合のキセノンは彗星がもたらしたと考えられる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究により、大気中にある元素キセノンの約22%は彗星に由来すると考えられることが示された。この研究結果は水など彗星の他の物質の地球に対する寄与を解明する際にも重要になるであろう。キセノンは最も重い安定した希ガスで、9種の同位体(基本的に「質量」)を持つ。それら同位体は宇宙のあちらこちらで見られ、それを利用してその元素の起源を特定できる。しかし数十年間はモデルで地球上のキセノンの起源を推測しており、特定できない状態が続いていた。2016年5月14日から31日の間に宇宙探査機ロゼッタがチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P/Churyumov-Gerasimenko)の周りの低高度軌道を探査しながら収集したデータの中に重要な手掛かりが発見された。Bernard Martyらは分光測定データを解析し、67Pから漏れるキセノンは太陽系の形成以前から彗星の氷の中に閉じ込められていたと考えられることを発見した。さらに重要なことに、この彗星のキセノンの同位体特性はこれまでどこから生じたのか起源が不明であった地球上のキセノンの特性と非常に似ていた。Martyらはこの不可解なキセノンの同位体特性が地球上に存在するに至った経緯について他の可能性も複数検討したが、最終的にはそれらは除外した。結果、約22%という地球の大気中のかなりの割合のキセノンは彗星がもたらしたとMartyらは述べている。

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