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これまでで最古の海洋堆積物により初期地球の大気について独自の見解が得られた

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

これまでに発見された塩分を含む鉱物堆積物、つまり最も古い蒸発残留岩の堆積物の分析により、23億年前の大酸化イベントに続く初期地球の大気状態について独自の見解が得られた。これらの研究結果はまた、この時代の酸素(O2)と二酸化炭素(CO2)の地球循環の間の相互関係や気候の解明に示唆を与えるものでもある。地球の大気中に初めて酸素が蓄積されはじめた大酸化イベントに続く古原生代(25~16億年前)に、大気と海洋の化学構造が大きく変化した。酸化(酸素が他の物質と化合すること)が進むことで地球表面は激変したが、大酸化イベントに近い時期の地球化学的データが少ないこともあって、この重大な変遷を表した定量的尺度はほとんどない。今回、ロシア連邦カレリア共和国にあるオネガ湖で発見された20億年前の蒸発残留岩から採取したコア試料により、初期地球の海水と地球表面の化学構造のほぼ10億年の記録が示された。Clara Blättlerらはこのコア試料を分析し、20億年前には海の硫酸塩濃度は現在の約1/3で、それで酸化能(化学反応により酸素を産生する能力)は現代の海の20%になっていたことを発見した。これらの結果により大量の酸素が硫黄と反応し、地球の酸素化という重要な時期に海に硫酸塩として堆積したこと、さらには、酸素の純生産量は大酸化イベント後に持続的に増加したことが示された。

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