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哺乳類の脂肪滴は宿主の自然免疫を構築し支援する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

哺乳類の脂肪滴(細胞質中に浮かんでいる、脂肪で満たされた小さな袋)が、微生物病原体に対する細胞内の防御の第一線であることが報告された。この新しい知見は、これまでは感染を支援することもある単なる細胞の便利なエネルギーの貯蔵庫だと考えられていたこの構造が、細胞内免疫応答の構築と支援に役立つことを示している。これらの見識は、将来の抗菌戦略に関する情報を得るうえで有用であり、抗菌薬耐性の増加との戦いに役立つ可能性がある。真核細胞は、脂肪滴(LD)と呼ばれる小さい細胞小器官に詰めこんだ脂肪酸の形でエネルギーを貯蔵しており、LDは全ての細胞と細胞タイプに存在する。一部のLDは、豊かなエネルギー源としてミトコンドリアに物理的に接触しており、ここではLDに含まれる脂質が重要な代謝プロセスへの燃料提供に役立っている。しかし、病原体は感染時にしばしばこのエネルギーをハイジャックして利用するため、細胞内略奪者に生存と増殖のための栄養源を提供することになる。病原体と宿主の免疫応答の間の絶え間のない共進化的競争を考慮すると、細胞が感染を妨害するための先天的防御機構をLDに仕込んでいる可能性は理にかなっている。LDが積極的に先天的防御に関わっていることを示唆するエビデンスは限られているが、不明点は多い。Marta Boschらは、マウスの肝臓細胞とプロテオミック手法を用いて、免疫応答における哺乳類LDの役割を検討した。Boschらの観察によれば、細菌毒素であるリポ多糖類(LPS)に曝露したとき、脅威にさらされた細胞内のLDプロテオームが変化した。LDの数が増加し大きくなり、CAMPなどの既知の抗菌活性を持つタンパク質複合体を形成し始めた。 さらに、活性化されたLDはミトコンドリアから分離し、細胞内で宿主防御を促進する環境への代謝シフトを起こした。「LDやその他の膜を持たない細胞内小器官の機能やそれに関連した多くの細胞プロセスの相転移について、大きく正当な関心が寄せられている。」と関連する PerspectiveでDouglas Greenは述べている。「Boschらの研究は我々が学ばなければならないことが多いことを示唆している。」

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