News Release

HIV感染を防ぐには抗体は1つより2つの方がいい

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

2種類の広域中和HIV-1抗体(bNAb)の混合物が霊長類をHIVウイルスの混合集団(現実世界の感染をまねた状況)の感染から保護したことが報告された。この知見は、ヒトのHIVを予防するには併用療法が不可欠だと考えられることを示唆している。HIVの変異速度は非常に早いため、現実世界の感染イベントでは、人々はさまざまなウイルスのいわば「群れ」にさらされるが、ほとんどの研究室での研究では、HIVの単離株のみを使用してbNAbによる予防効果を実証している。今回、Boris Julgらは、2種類のbNAbをアカゲザルに投与した後、2株のサル‐ヒト免疫不全ウイルス(SHIV)の混合物を感染させた。2種類のbNAbのいずれかを単独で投与されたサルは感染したが、両方の抗体でともに免疫化したサルは100%保護された。これらのbNAbはそれぞれ、HIV外殻タンパク質にある異なる領域を認識した。Julgらは、霊長類に生じたウイルスのエスケープ変異ならびに患者から分離されたウイルスの配列において、2つの抗体の標的が非常に多様であることを明らかにした。Julgらは、彼らの研究が、ウイルスの多様性がbNAbによる保護を損なわせうることを強く示していると述べており、複数の標的に対して保護を行えるレジメンが必要であることを強調している。XuらによるScience誌の関連論文で、先天的なHIV多様性を克服できる戦略として、HIV外殻タンパク質の複数の領域を認識し、3つの標的を同時に対象にできる、単一の抗体の作成について述べる。

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