News Release

ジカ熱診断のための迅速かつ正確な「ディップスティック」検査

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新たに開発された、迅速かつ費用効果的なディップスティック検査により、交差反応性をほとんど伴わずに高い感度と特異度でジカウイルスおよびデングウイルスの4つの亜型全てを検出できる。この診断検査を開発した研究者らによれば、このプラットフォームはジカウイルスと、デングウイルスなどの近縁のフラビウイルスの臨床診断に有用であるだけでなく、新興病原体にも適用可能であるという。ジカウイルスとデングウイルスはいずれも、同種の蚊により伝播され、同様の臨床症状を示す。ジカウイルスのみが重度の出生異常と関連付けられている。Irene Boschらにより開発された新規の検査は(市販の診断検査とは異なり)交叉反応性を伴わずにジカウイルスとデングウイルスを識別でき、さらに極めて低濃度(市販法の75 ng/mLに対して4および21 ng/mL)でウイルス蛋白質を検出できる。この検査に要する資材の費用は、検査ストリップ1枚当たり約5ドルであり、著者らは生産規模が拡大すれば価格は下がると主張している。この検査は、これらのウイルスを検出する時に、NS1と呼ばれるウイルス蛋白質を、抗NS1抗体でコーティングされた膜ディップスティックと、別の抗NS1抗体が結合した金ナノ粒子でコーティングされた膜ディップスティックで「サンドウィッチ」して、サンプル中にNS1蛋白質が存在する場合にのみ目視可能な紫色の点が表れる仕組みになっている。ペアとなる抗体を同定するためにBoschらは、ジカウイルスについて300の組合せを、またデングウイルスについて726の組合せを評価した。その上でこの方法の検証を行ったところ、精製されたウイルス蛋白質と確定診断を有する患者の血清に対する特異性が確認された。重要なこととして、著者らは、このデザイン法は世界保健機関が理想的な診断検査の条件とする、「安価で、感度と特異度が高く、使いやすく、迅速で、器材が不要で、必要とする人たちに提供される(affordable, sensitive, specific, user-friendly, rapid, equipment-free, and delivered to those who need them)」の頭文字であるASSUREDを指針としたと述べている。

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