神戸大学の西村和雄特命教授と同志社大学の八木匡教授は、両親の子育ての方法が子どもの既婚率や、持ちたいと考える子どもの数に影響を与えていることを、初めて実証的に明らかにしました。
本研究では、独立行政法人経済産業研究所のプロジェクト「活力ある日本経済社会の構築のための基礎的研究」の一環として、株式会社楽天リサーチを通じて2016年1月に行ったWeb調査による1万人のデータを用いて、日本人の親に多い子育てのタイプと子育ての成果との関係を分析しました。
子育ての方法を、支援型・厳格型(タイガー)・迎合型・放任型・虐待型に分類すると、男女ともに、支援型が、所得・幸福感・学歴形成という項目のすべてについて、最も高い達成度を示しました。
また、子育てのあり方が、父親や母親に対して持つ感情や、家庭をもち、子供を持つことに対する積極性に影響するか分析したところ、理想の男性(女性)が父(母)であると考える比率は、支援型の子育てを受けた回答者が最も高く、虐待型の子育てを受けた回答者は最も低い数値を示しました。そして、理想の男性(女性)が父(母)であると考える回答者は、婚姻率が高く、希望する子供の数も高い数値を示すことが明らかになりました。
###
子育てのタイプ
1)支援型:高自立、中自立、高信頼、高関心、高共有時間
2)厳格型:低自立、中・高信頼、厳しい・やや厳しい、中・高関心、高規範
3)迎合型:高信頼、中信頼、全く厳しくない、高共有時間、中共有時間
4)放任型:低関心、全く厳しくない、低共有時間、低規範
5)虐待型:低関心、低自立、低信頼、厳しい