News Release

臨床試験の結果から治療用HIVワクチン接種がウイルス抑制をもたらさないことが判明

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験では、治療用HIVワクチンに利益は認められなかったが、研究者にとって今後の治療の取り組みに極めて必要となる洞察が得られた。著者らによれば、今回の結果は、治療用ワクチン接種は抗レトロウイルス療法(ART)を受けていない患者の利益にならないことを示す、増加しつつあるエビデンスに新たに加わるものである。ARTはHIV感染患者の寿命を延ばすという計り知れない利益をもたらしたが、ARTレジメンは患者体内のリザーバからウイルスを根絶することはこれまでできなかった。治療用ワクチン接種は、患者自身の体内のHIVに対する免疫応答を強化して、ARTによらずにウイルスを制御できるようにする可能性をもつ戦略として登場した。このアプローチの有効性を検討するために、Michael SnellerとAnthony Fauciらは、米国とカナダでHIV感染の初回診断直後にARTを開始した患者のコホートを構築した。全参加者がARTを継続していた36週間において、14人が治療用HIVワクチンの接種を4回受け、15人が対照として食塩水の投与を受けた。著者らの監督下で16週間にわたりARTを中止したところ、プラセボ群とワクチン群でウイルスリバウンドに差はみられなかった。驚くべきことに、プラセボ群の4人に自然なHIV抑制がみられ、この割合は一般集団におけるいわゆる「HIVエリートコントローラー」の推定存在率から予測される数字よりかなり高いものであった。関連するFocusでNelson Michaelは、これらの所見から、うまくデザインされたプラセボ対照試験の意義と重要性がいかに示されるかについて論じている。

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