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地球の酸化は内部フィードバックが引き起こした、段階的ではなく漸進的な過程だったのか?

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によると、地球表面の酸化(これによって地球は今日存在するすべての生物にとって居住可能な安全な場所に変わった)は、これまで考えられていたような不連続な地球規模の生物学的・地質構造的な変化の産物ではなく、単に地球の生物地球化学的フィードバックの結果だった可能性があるという。この研究結果は、地球(おそらく他の惑星も)における生命の進化を理解するうえで重要な意味をもつ。20億年以上前、地球の大気および海における酸素濃度が上昇し始め、これに伴って、徐々に複雑な動物が出現して後に進化した。酸化に至るこうした漸進的な道のりは、3つの大きな段階を経て起こったと広く考えられている。それが「大酸化イベント」「新原生代酸化イベント」「古生代酸化イベント」である。こうした段階的な酸素増加に対する生物学的・地質学的な説明がいくつか提案されているが、地質学的に急激だがめずらしいこの酸化イベントは、現在わかっている外部地質構造や進化の過程と一致しない。Lewis Alcottらは、むしろ地球の段階的酸化は、長期的な生物地球化学的過程にける内部フィードバックによって説明できるのではないかと考えた。Alcottらは理論モデルを用いて、リン・炭素・酸素の地球規模の循環をはじめとする、一連の生物地球化学的な内部フィードバックを確認した。長期にわたる地球表面の漸進的な酸化のみに基づいたこのモデルは、地質記録に見られるのと同じ3段階のパターンを示し、単純な光合成シアノバクテリアを超えるような生物学的進歩を必要としなかった。この研究結果から、宇宙の他の場所にも酸素濃度が高い天体が存在する可能性が劇的に高まったと、著者らは述べている。

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