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小脳の隠された役割が明らかに

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によれば、ドーパミンの放出を制御することで、小脳が社交性および報酬駆動性行動を制御している可能性がある。この結果は、認知及び情動制御における過去に認識されていなかった重要な役割を明らかにしており、脳の損傷や異常と様々なタイプの神経および社会的課題の間に認められている関連性を説明するうえで役立つと考えられる。「この研究は・・・小脳の機能を解釈するためだけでなく、脳を理解し近代社会に影響を与える脳疾患の新しい治療法を発見するための新しい展望を開いている」と、関連したPerspectiveでEgidio D’Angeloが述べている。筋肉の動きを強調させ制御する主な機能が一般的に知られているが、最近の研究で、小脳が、認知および情動処理を含む多数の運動以外の機能にも関与していることが示唆された。また、小脳は自閉スペクトラム症(ASD)および統合失調症のような精神疾患にも関与しており、この脳領域の損傷はさまざまなタイプの異常社会行動を引き起こす。このようなことが観察されているにもかかわらず、これらの状況における小脳の役割は依然として不明である。Ilaria Cartaらは、マウスの脳における小脳と報酬処理の関係の可能性を検討し、小脳と腹側被蓋野(VTA)の間の直接的な経路を特定した。VTAは前頭前野(脳の報酬中枢)へのドーパミンの運搬を担う脳の小さな領域である。Cartaらによれば、小脳-VTA経路は非常に強力で、小脳からの投射を可能にしており、ドーパミン放出を制御することで行動を調節している。この結果は、運動以外の社会および報酬駆動性行動に小脳を関与させうる機構を明らかにしている。

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