News Release

(繰り返される)圧力印加の下で亀裂が発生しない鋼鉄の導入

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

骨に見られるような薄板状のナノスケールの下部構造を備えた鋼鉄が、繰り返される圧力印加から発生する亀裂に対して、より耐性のあることが新たな研究によって報告された。鋼鉄は、その引っ張り強度が高く、安価なため、鉄道、橋梁、発電所などの多くの重要な工学システムにおいて広範に使用されている金属である。しかしながら、鋼鉄に応力が繰り返しかかると、亀裂が生じ易くなる。階層的で薄板状のナノスケールの下部構造があるため、優れた耐亀裂特性のある骨の構造から着想を得て、鋼鉄に同様な構造があれば、より強靭な材料となるのではないかとMotomichi Koyama らは考えた。フェライトとセメンタイトとの共析晶であるパーライト鋼ならびにマルテンサイト‐オーステナイト変態誘起塑性鋼という、そのような構造を備えた2種類の鋼鉄を発見し、自動車システムで使用されている典型的な種類の鋼鉄より大幅に亀裂に対する耐性の高いことを発見した。著者らは、これらの薄板状のナノスケールの下部構造を備えた鋼鉄に繰り返し応力のサイクルを加えたところ、微細な亀裂の進展が107サイクルまで遅れることを発見した。著者らは、亀裂に対するこの耐性は、このような金属に発生して、摩擦を発生する微細な割れ目の粗さによるものであり、このような材料の特性から、異なる相に移行するにつれ、亀裂の発生が防止されるように圧力が発生すると述べている。薄板状のナノスケールの下部構造を備えた鋼鉄は、繰り返しかかる応力に対して耐性があるが、応力の初期の強度がより高い場合には、亀裂が発生した。著者らは、この問題に対処することができる可能性のあるメカニズムをいくつか提案している。

###


Disclaimer: AAAS and EurekAlert! are not responsible for the accuracy of news releases posted to EurekAlert! by contributing institutions or for the use of any information through the EurekAlert system.