News Release

初めてリアルタイム観察された3D液晶内の混沌状態

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

これまでは主に理論およびシミュレーションによって研究されてきたが、ダイナミックな3D液晶系およびその内部の混沌とした動きを観察する機会が新たな研究から得られている。3Dアクティブマターの合成および特徴付けの両方を行うことによって、今回の研究においてアクティブマター分野において2つの主要マイルストーンが達成され、複雑なアクティブマターの今後の観察のために「非常に優れた実験の足掛かり」が得られたとDenis Bartoloが関連するPerspective で述べている。アクティブマターとは、鳥の群れから人工粒子までの任意の系であって、エネルギーが投入されると、局所的相互作用によって組織化された大きな領域が形成されるものであると定義することができる。科学者らは、アクティブマターの動きを実験室でより良く理解・捕捉をしようとして、ネマティック系(棒状の分子の集まりであって、全体としてほぼ同一の方向性が選ばれるが、欠陥形成によって構造の乱れが発生することも有り得るもの)と呼ばれる液晶を研究してきた。エネルギー源経由の流れを受けると、アクティブマターの線状欠陥の拡大、ピンチオフまたは縮小が起こり得る。理論的には良く理解されているが、分子は通常、非常に小さいので見ることができず、非常に急速に動くので優位な空間体積にわたって追跡することができないため、高時間分解能で3Dアクティブマターであるネマティック系を観察することは挑戦的な課題である。今回、Guillaume Duclosらはバクテリオファージウィルス粒子の集まり(剛性のある棒状であって、室温でネマティック相が得られるもの)および微小管(エネルギー源に挿されて、試料全体で流れを作り出せるもの)の集まりから3Dネマティック系を製作した。偏光シート顕微鏡を使用して、今回の研究者らはこのネマティック材料を迅速にスキャンして、欠陥の動きをリアルタイムで追跡した。これにより、3Dネマティック系の励起状態は、メビウスの帯の形態のものを含め、主に回位線および回位ループであり、核と成り、縮小し、開き、または結合することができることを発見した。今回の発見は、アクティブマターでできたスマート材料の実用化推進にいつの日か役立つ可能性があると今回の研究者らは述べている。

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