News Release

機械学習によりマウスの感情生活の一面が明らかに

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

マウスの顔の表情を分析するために機械学習アルゴリズムを用いて、Nejc Dolensekらは感情状態の神経学的な発生機序を明らかにした。この研究は「感情の神経生物学的なメカニズムの理解するため、また種に特異的な感情を明らかにするため、またそうした感情の個体レベルのばらつきを明らかにするために不可欠となる、客観的な分析ツールを提供している」と、Benoit GirardとCamilla Belloneは関連するPerspectiveで述べている。感情の神経生物学的な発生機序は、科学者にとって依然として謎に包まれている。科学者らは、ヒト脳の複雑な神経回路においてどのようして感情が発生するのかについていまだ十分に理解しておらず、マウスなどの動物における感情について理解しようとする試みは、感情状態を測定するための正確なツールがないためにこれまで妨げられてきた。同じ哺乳類の感情状態をよりよく理解するために、Dolensekらは先端のマシンビジョン技術を用いて、感情を誘発するイベントに対して反応するマウスの表情を正確に分類することを試みた。著者らは、マウスを甘味や苦味などの感覚刺激や恐ろしいイベントに曝露させて記録を行い、快感、不快感および不安といった感情の記述子と一貫して関連する表情が複数特定された。これらの表情には、感情価(肯定的あるいは否定的な反応を生み出す)などの特性が示され、また表情には刺激の強さとの相関が認められたことから、これらの表情が内的な感情状態と対応しており、単に反射的な反応ではないことが示唆された。著者らはまた、二光子カルシウムイメージングを用いて、マウスの特定の表情と相関する活動を有する、脳内の「表情」のニューロンについて特性を明らかにした。著者らによれば、今回の研究結果は、感情についてより普遍的かつ進化との関連に基づいた定義に向けての、また種を超えた感情の基礎的背景を明らかにすることに向けての研究を助けるものとなる可能性がある。

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