News Release

種間のDNA交換がドクチョウ属多様性の主要要因

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によると、種間の遺伝物質交換はドクチョウ属(Heliconius)の幅広い多様性に重要な役割を果たしているという。この研究結果によって、種の進化にとっての交配の有用性に関する数世紀にわたる議論にヒントが得られた。関係するPerspectiveではLoren Riesebergが「この研究はゲノム進化上の交配の重要性を前例のない詳細さで実証している」と書いている。この研究はまた、交配の遺伝的寄与を他の遺伝子変化過程から分けて抜き出すための新しいゲノム的アプローチも提示し、交配によって種の迅速な適応分岐や放散に必要な遺伝物質が提供される仕組みを示している。進化における交配の重要性は進化生物学で激しい議論が交わされてきたテーマである。ドクチョウ属は40を超える種から成る多様なチョウ属で、カラフルで非常に独特な羽を持つことで知られている。その多様性ゆえにドクチョウ属は種間の遺伝子交換の研究に役立ってきた。しかし、他の系統から時間をかけて生じたDNAを不完全な系統仕分けのような遺伝子変化過程と区別するのは難しいということで、ドクチョウ属における交配の役割は今もなお研究が続いている。Nathaniel Edelmanらはドクチョウ属と関係する属の種で20のゲノム集合を作り、交配によって導入された遺伝子変異を特別に検出するために考案した新しい方法を用いて、標本抽出を行ったゲノム全てでドクチョウ属の進化史への交配の重大な影響を発見した。交配の影響は遺伝子密度やゲノム構造のような要因によって異なるとEdelmanらは述べている。彼らはまた、交配によって形成されたと考えられるcortex遺伝子座を含む新しい染色体構造についても報告し、それが交配相手のドクチョウ属の種における羽の配色パターンと擬態の進化の基礎となっていることを示した。このことは交配がドクチョウ属の種の進化と適応に有益な結果をもたらしたことを示唆している。「この研究によって、交配の跡は植物と動物のゲノムの共通の特徴であること、および、交配によって適応のための多様化が促進されることを示す論文がさらに増えた」とRiesebergは書いている。

###


Disclaimer: AAAS and EurekAlert! are not responsible for the accuracy of news releases posted to EurekAlert! by contributing institutions or for the use of any information through the EurekAlert system.