News Release

タラ号海洋プロジェクトでプランクトンに関する貴重なデータを収

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Small Zooplanktonic Animals

image: The Tara Oceans expedition collected these small zooplanktonic animals in the Indian Ocean: a molluscan pteropod on the right, and 2 crustacean copepods. On the left is a fragment of orange paint from Tara's hull. view more 

Credit: [©Christian Sardet/CNRS/Tara Expéditions]

このニュースリリースには、英語で提供されています。

スクーナー船タラ( Tara )号で 3 年半にわたって日光の届く海面 上層部で標本採集を行っていた 国際研究チームが、タラ号海洋プロジェクトの第 1 回調査結果を発表して おり、 Science 本号で は、関連する 5 つの報告を掲載して いる。これらの報告で、海洋に生息するプランクトン様生物 は知られているよりもはるかに多様であることが示された。これらは 、 海洋の多数のプランクト ン様生物の目録作成に向けた新しい資源である。これらプランクトン様生物 は、 供給 している 酸 素 が 光合成によって生成される年間酸素生産量の半分を占めることなどから、地球上の生物にと って絶対不可欠な存在であるにもかかわらず、その大 半の特徴は明らかになっていない。これら の報告ではまた、プランクトン様生物の分布状況やプランクトン様生物種同士の相互作用につい ても発表されており、それらによると、これら生物の相互作用は環境条件以上にこれらの生物群 集構造の説明に役立つというタラ号海洋プロジェクトに携わった国際共同研究チームの科学者らは 2009 ~ 2013 年に実施され た調査航海で、ウイルス、細菌、原生生物、小動物の標本を採集し、最終的にすべての主要海洋 域の 210 の観測地点から 35,000 を超えるプランクトン様生物の標本を集めた。今回の 5 つの報 告 の中の 2 つで、この膨大な量の標本の一部を用いて 参照ツール が 作成 され、 先例のない規模で、 世界の海洋で見られるプランクトン様生物の多様性 に光 が 当て られ てい る。 Shinichi Sunagawa ら は大半が新たに発見されたものだという 4,000 万を超える遺伝子から成る海洋生物の参照遺伝子 目録を作成した。この結果は、海洋プランクトン群集 は 未知なる遺伝的多様性の 巨大な貯蔵庫で あること を浮き彫りにしている 。 Sunagawa らによると、プランクトン群集の形成を促す主要要 因は海水の温度だと考えられ、海水温の上昇は海に生息す る微生物に大きな影響を及ぼす可能性 があるという。 Colomban de Vargas らは海洋性植物プランクトンの中の多様な真核生物の目録を 作成した。 真核生物の遺伝子型は 推定約 15 万 で、 これまで の文献 で記述されていた数 よりかな り多い。これらの参照ツールを使用して Jennfier Brum らは世界中の海におけるプランクトン様ウ イルス分布の概要を示した。 Gipsi Lima - Mendez らもこれらの参照ツールを用いてこれまで解明 されていなかったプランクトン種同士の相互作用 のマップを作成 した。 Emilie Vill ar らは海洋学 データと生物学データを自分たちの研究に組み入れて、 流れの速い 海流 など 環境の変化によって プランクトンの分布がどのような影響を受けるかを突き止めた。 本号の Editorial では、 Science 編集長である Marcia McNutt が海の微生物に対する気候変動の影響 にまつわる不確実性に焦点を当てている。タラ号海洋プロジェクトで得られるデータの今後の分 析が 、 そのような変化にプランクトンが適応する仕組みについての疑問の解明に役立つと考えら れる。 関連の Perspective では E. Virginia Armbrust と Stephen R. Palumbi が、タラ号海洋プロジェ クトによって「この疑問に 打ち込 み 、解明に乗り出したいと思う誰もが利用できる貴重なデータ が提供された」と述べている

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Article #0: "Oceans and Earth's habitability," by Marcia McNutt, editor-in-chief of Science.


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