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ウマの家畜化について再考する:ボタイウマは今日のウマの祖先ではなかった

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新たなゲノム研究により、約5,500年前に中央アジアの草原地帯に棲息していた、知られている最古の家畜化されたウマの個体群は、今日の家畜化されたウマの祖先ではないことが明らかにされた。しかし、そのウマの系統は、野生化したウマとして存続している。ウマを家畜化したことで知られる最古の文化は、現在のカザフスタンに存在していた。古代のボタイ(Botai)文化の遺跡には、騎手が用いる道具や陶器に残った乳の跡など、ウマを家畜化していた明らかな痕跡が認められる。しかし、これらのウマが現在の家畜化されたウマの祖先であるかどうかは不明であった。今回Charleen Gaunitzらは、20頭のボタイウマを含め、ユーラシア大陸のある範囲の時代と場所から得られた古代および現代のウマの88のゲノムを分析した。著者らによれば、これらのデータから、サンプルとした家畜ウマはいずれも、そもそものボタイウマのグループの子孫ではなかったが、中央アジアに棲息し、絶滅の危機にさらされた野生化したウマのグループであるプルジェヴァルスキー(Przewalski)のウマの7頭がその子孫であることが明らかになったという。これにより著者らは、遅くとも紀元前3,000年までに、別のウマのグループが、その後広く分布することとなった全ての家畜化されたウマ個体群の祖先となったと主張している。残念ながら当時のウマのゲノムは復元されておらず、このことから現時点では、今日われわれが知っているような家畜化されたウマの祖先となったウマの個体群は、依然として謎であり続けることになる。

Note: This paper will be available for free when the embargo lifts at http://www.sciencemag.org

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