伸縮性のある材料から作られた新たな2芯光ファイバーによって、オプトメカニクスを用いた検出に対して柔軟で新たなアプローチが可能になったと研究者らが報告している。単一センサーおよび変化する光の色だけを使用することによって、複雑な機械的動きの識別および測定が可能になっており、これらの研究者たちは伸縮性のある手袋に自身のセンサーを組み込むことによってこれを実証している。この手袋の中で、種々の複雑な指の動きおよび押し込むしぐさをリアルタイムで検出することに成功た。分散型光ファイバーセンサー（DFOS）システムは、例えば、応力、圧力、振動および温度など、種々の物理的属性を観察するために使用されている。しかしながら、現行装置はしばしば非伸縮性のシリカベース光ファイバーに基づいており、複雑な大型光センサーないし高度なコンピューターの使用が無く、概して、剛性物体の観測に限定され、単一の属性のみの測定に能力が限定されている。その結果、DFOSシステムはソフトロボティクスまたは生物医学のような分野には向いていなかった。Hedan Baiらは、伸縮性のあるDFOSセンサーシステムを開発した。これはシリコーンコーティング中で成形されて一緒に包まれた2本の伸縮性のあるポリウレタン製光ファイバー心線から構成されており、1本は透き通った心線であり、もう1本は幾つかの色の染料を含んだ幾つかの離散領域が点在している。変形されていない時、SLIMSと名付けた2本の心線の各々を通過する白色光は白いままである。しかしながら、長さ方向に沿って変形する（曲げ、伸長または押し）と、光の光路が幾何学的に変化することになり、染色された心線から出る光の色が影響を受けて、変形の発生した領域で染料の色の方に偏移する。変形の種類および規模が異なると、2本の心線の間の光に特定の色模様が得られる。隣接するこれらの心線の各々から出る光の色および強度を測定することによって、変形の位置、規模および種類を決定することができる。SLIMSのマルチモーダルセンシング能力をさらに実証するために、Baiらは、当該システムを伸縮性のある手袋に組み込み、単一のセンサーだけを使用して、種々の複雑な指の動きおよび押しを同時かつリアルタイムに検出して、正確に再現することができた。
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