News Release

内耳生物学により恐竜の鳥に似た特徴の起源が解明

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

絶滅種124種と生存種91種を対象とした内耳構造と眼球を支える強膜輪に関する2つの詳細な調査により、恐竜の感覚器官の生態と飛ぶ・夜間に狩りをする・子供の甲高い鳴き声を聞くといった能力を含む行動の進化について、新たな知見が得られた。別個の2つの研究‐Michael Hansenらの研究とJonah Choiniereらの研究‐では最先端の画像技術と高度な統計分析が活用されており、「化石の発見から生命の歴史を実証することが古生物学の柱であることに変わりはないが、これら2つの研究は、つるはしとシャベルではなくCTスキャナーとRコードを武器にする古生物学者という新たな傾向を象徴している」と、Lawrence Witmerが関係するPerspectiveで書いている。Hansenらは非鳥類型恐竜・ワニ類・鳥類を含む主竜類群の絶滅種と生存種を対象にその内耳構造を調査し、半規管と蝸牛の形が二足歩行・四足歩行・飛行といった運動能力と高周波音を聞く聴力に関係する明確なパターンを発見した。彼らによると、その分析によって恐竜の飛行能力を示す最古の例が示されたとともに、最も古いと考えられる親子間の口頭伝達も明らかになったという。Choiniereらも獣脚竜の生存種と絶滅種を対象に内耳と視覚系の状態を調査し、フクロウのような夜間の捕食に必要な聴覚と視覚の適応は、とりわけ後期白亜紀のアルヴァレスサウルスでは、早い時期に進化したことを発見した。この発見は、夜間活動のための恐竜の感覚適応は現代の鳥類の登場のかなり前に個々に進化したことを示唆しているともに、これらの特徴が非鳥類型恐竜・鳥類・哺乳類の間で何百万年もの時間をかけて収斂したことを実証している。「最近まではこれらの研究グループが示した進歩は想像もできないものであった。器官内部の構造の多くの特徴と子育てや日常の活動パターンといった習慣とのその確かな関連性は調査の届かない部分だったから」とWitmerは書いている。

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