News Release

新規昆虫ウイルスがフラビウイルスに対するワクチンおよび検査のより安全なプラットフォームになる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

New Insect Virus Provides a Safer Platform for Flavivirus Vaccines and Tests (3 of 3)

video: Video interview with Prof Roy Hall and Dr Jessica Harrison and laboratory footage with some data images. This material relates to a paper that appeared in the Dec. 11, 2019, issue of Science Translational Medicine, published by AAAS. The paper, by J. Hobson-Peters at institution in location; and colleagues was titled, "A recombinant platform for flavivirus vaccines and diagnostics using chimeras of a new insect-specific virus." view more 

Credit: [Credit: Filmed and produced by BioLab Collective - Dr Jack Wang, The University of Queensland. Music courtesy of www.bensounds.com]

1研究チームにより、昆虫にのみに感染する新規ウイルス種が同定された。このウイルスは遺伝子操作により、ジカや黄熱などの疾患を引き起こす類縁ウイルスの遺伝子を組み込むことができる。組み換え技術のためのプラットフォームに利用することで、この新規ウイルスは様々な感染性疾患の診断検査やワクチンの開発を目的とした、非感染性の柔軟な研究ツールとなる。フラビウイルスは、昆虫を媒介として伝播するウイルス科で、黄熱、デング熱やウエストナイル脳炎などの、危険な感染症の原因となり得る。フラビウイルスは世界的に重大な健康上の負担となっているが、新たな診断ツールやワクチンの開発は、人びとに危険をもたらす感染性株を使用する必要があることから、これまで進まなかった。今回の研究でJody Hobson-Petersらは、Binjariウイルスと名づけられた、昆虫にのみ感染するフラビウイルスの新種について詳しく報告している。このウイルスは、オーストラリアの蚊からの抽出物の配列検索により発見された。その遺伝子構造を調べたところ、このウイルスは自身の遺伝子の一部を、疾患の原因となるフラビウイルスの遺伝子と交換できることが明らかになった。著者らが、Binjariウイルスにジカウイルスやウエストナイルウイルスの遺伝子を組み込ませたキメラ粒子を作製したところ、この粒子は蚊の細胞内では急速に複製を行うのに対し、脊椎動物には感染できないことが分かった。Binjariキメラ粒子は様々な応用に用いることが考えられる。例えば、Binjari-ジカ粒子をベースにしたワクチンはマウスでジカウイルスに対する防御作用を示したし、他のキメラ粒子はデングウイルスやウエストナイルウイルスの検査に用いられるいくつかのアッセイにおいて感染性のフラビウイルスと入れ替わることができた。複製率が高いこと、また非感染性であることから、Binjariウイルスは生産が容易であり、ヒトに健康被害のリスクをもたらすことなく改変して様々な医学的応用のために利用が可能と考えられる。

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