image: Immuno-PET/CT analysis confirms the preservation of CD4+ cells during α<sub>4</sub> β<sub>7</sub> mAb treatment. This material relates to a paper that appeared in the 14 October 2016, issue of <i>Science</i>, published by AAAS. The paper, by S.N. Byrareddy at Emory University School of Medicine in Atlanta, GA, and colleagues was titled, "Sustained virologic control in SIV<sup>+</sup> macaques after antiretroviral and α<sub>4</sub> β<sub>7</sub> antibody therapy." view more
Credit: Byrareddy <i>et al., Science</i> (2016)
細胞間の相互作用を促進することが知られている主要な受容体を阻害するある抗体が、標準治療の抗ウイルス薬療法（ART）と組み合わせると、HIV感染の長期制御のための効果的な治療薬となり得ることが、非ヒト霊長類を対象とした新たな研究により示された。HIV-1陽性の診断を受けている多くの人に対して、ARTはウイルスの働きをくいとめて疾患進行を抑えるためにルーチンに用いられる方法であるが、この治療レジメンを長期にわたり維持することは費用がかかり、また持続的なHIV感染と有害な健康転帰に関連することが多い。ARTに対する患者の依存性を低める可能性のある新たな方法を探し求めてSiddappa Byrareddyらは、サル免疫不全ウイルス（SIV）に感染させたアカゲザルに対してARTの短期コースの投与を、α4β7（腸管ベースの免疫応答の誘導に関与するインテグリン蛋白質）を標的とする抗体または対照IgGと組み合わせて行い、その後にARTを中止した。ART中止後に、ART単独投与を行ったサルではウイルス量が再増加し血中および消化管内のCD4+ T細胞に大幅な枯渇が認められたのに対し、α4β7特異的抗体を併用投与されたサルではウイルス量が検出不能レベルに維持され、CD4+ T細胞数が正常レベルに回復した。さらに、このような効果は、全ての抗ウイルス薬が中止された後9ヵ月を超えて維持された。著者らによれば、これらの所見からこの併用療法は、生涯にわたる治療の必要性なしに、ウイルス血症を制御し、免疫系の障害を修復する補助的な治療選択肢を提供し得ることが示唆されるという。
###
Journal
Science