News Release

合体によってクエーサーは塵に覆われ強力になる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい画像解析によると、初期宇宙における銀河の合体によって、塵に覆われた明るく強力なクエーサーを形成するための原料が供給されたという。この解析では、既知の中で最も明るい銀河に注目し、非常に明るい銀河がその中心部にある複数の超大質量ブラックホールに対して同時に原料を供給する仕組みや、そのブラックホールを塵で覆う仕組みも明らかになった。初期宇宙で最も明るい銀河は、その中心部に超大質量ブラックホールをもっている。物質がこうした若い銀河の中心部にあるブラックホールに向かって落ちていくとき、エネルギーを放出し、クエーサーとして観測される。塵で覆われた強力な遠方クエーサーの集団はこれまでも確認されていたが、形成の仕組みは不明だった。こうした非常に明るい物体はとてもめずらしく、現行の銀河形成・進化モデルにとって課題となっていた。今回Tanio Diaz Santosらは、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA、アルマ望遠鏡)を用いて、こうした塵に覆われたクエーサーの1つを解析した。彼らはALMAを用いて、塵で覆われたクエーサーWISE J224607.57−052635.0をサブミリ波で観測した。塵の放出などを解析した結果、3つの小さな伴銀河がガスと塵の橋でクエーサーとつながっていることが判明した。さらなる研究によって、伴銀河と中心にある明るいクエーサーとの間に活発な相互作用が働いていることも明らかになった。研究者らはこの研究結果から、隣接する銀河の合体によってできる降着は触媒のような作用をもち、非常に明るいクエーサーの動力となる原料を供給するだけでなく、大量の塵を供給してクエーサーを覆っているのではないかと推論している。

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