News Release

過去に費やした時間が将来の報酬を楽しみに待つ気持ちに影響する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

マウス、ラットおよび人間を対象とした新しい研究により、報酬を待つ時間が長ければ長いほど報酬をあきらめたくなくなることが報告された。この研究結果は、多数の動物は誤ったことに、予想される将来の成果ではなく、「サンクコスト」と呼ばれる取り戻せない投資に基づいて決定を下すと考えられることを示している。Brian Sweisらはサンクコストに対する動物の感覚を調査するために、違ったトリーツを求めて別々の部屋に入るというマウスを使う実験を準備した。トリーツの香り ―― およびトリーツが与えられるまでの待ち時間 ―― は異なる。マウスは提示されている香りのついたトリーツをどのくらい待ってから次の部屋に移動するのか。Sweisらは、トリーツがそれほど好ましいものでない場合でさえ、マウスはそのトリーツを待つのにすでに幾ばくかの時間を費やしたのであれば、トリーツを手に入れるまでさらに長い時間待つことを発見した。これはサンクコストバイアスを浮き彫りにしている。十分な時間ウェブページを見続ければ(食糧を求めるのではなく、エンターテイメントを求める)報酬が貰えるということでウェブブラウジングをする人や食糧を求めるラットを対象とした実験でも同様の結果が見られた。3つの種全てにおいて、待ち時間が長くなればなるほどサンクコストバイアスは強くなった。Sweisらはバイアスについて考えられる説明を3つあげている。たとえば、将来の成果の価値を予測するのは複雑だったり困難だったりするため、動物はより簡単な方法、つまり費やした努力から査定するというプロセスを進化させたと考えられるという説明である。別の説明としては、多くのエネルギーを1つの対象に注いだ後の動物の生理的および心理的状態があげられる。関係するPerspectiveではSarah Brosnanが今回の研究をさらに詳しく論じており、「(サンクコストバイアス現象を)理解することは、われわれがなぜ行動に対する決定をすることができるのか、についてよりよく把握する手助けとなり、意思決定を改善する方法を示唆してくれる。」と述べている。

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