News Release

行動経済学を活用して臨床試験への参加を促進する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

行動経済学は臨床試験における患者登録を促進する強力なツールとなり得ると、Eric VanEpps、Kevin VolppとScott HalpernはこのFocusで論じている。著者らは、経済学と心理学による洞察を利用しながら、試験に登録するという患者の決定に影響を及ぼす介入、あるいは「背中を叩く」方法を提案している。例えば、登録への不安を解消する1つの戦略として、試験に関する情報を提供する時に他の参加者の人数を伝えるというものがあるが、これは「みんなでいれば怖くない(人数における安全)」という心理を利用する戦術である。禁煙プログラムの試験など、低リスクの試験におけるデフォルトすなわち自動登録は、明確に「断る」ことを患者に要求することで、消極性に対処できるであろう。経済的および社会的インセンティブ、例えば金銭的でない景品の提供から患者との試験結果を共有に至る方法によっても、試験への参加を魅力的なものとすることができる。登録へ「背中を叩く」ことはインフォームドコンセントの考え方と矛盾するように見えるかもしれないが、患者に参加を強制するものではない、と著者らは論じている。行動実験での検証が成功したなら、こうした「背中を叩く」戦略は、公衆衛生の増進に行動経済学を利用する新たなアプローチとなる可能性がある。

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