News Release

火星の地下で発見された液体の水の巨大な貯水池

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

レーダーを使用した火星の極冠の調査により、氷の下で20kmにわたって広がる液体の水の湖が発見された。この結果によって火星に液体の水が存在するか否かに関する数十年にわたる議論が最終的に解決された。この発見はマーズ・エクスプレス探査機に搭載されている火星の地表下および電離層の探査レーダー測定器であるMARSISを使用することで明らかになった。MARSISから火星の地表および極冠を貫通するレーダーパルスが照射され、次に、どのようにしてこのレーダーパルスが伝搬し、反射してこの探査機に戻されるかが測定された。反射により、地下にある物質に関する情報が科学者らに提供される。Roberto Oroseiらは2012年5月~2015年12月の間、MARSISを使用して、火星の南極冠に位置するプラヌム・オーストラレと呼ばれる領域を調査した。Roberto Oroseiらは29セットのレーダー測定サンプルを得ている。これらのサンプルによってレーダー信号の非常に急激な変化が含まれる地域が精密に調査されており、この地域は氷の表面から約1.5km下にあり、横方向に約20km広がっている。この地域のレーダー測定による分析結果は、地球では南極圏およびグリーンランドの氷床の下で発見される液体の水の湖のものに類似しており、火星のこの場所には氷底湖の存在していることが示唆される。この地域の温度は純水の氷点を下回っていると考えられるが、火星の岩石中に存在することが知られているマグネシウム、カルシウムおよびナトリウムという溶解塩がこの水の中で溶かされて、塩水が生成され得るとRoberto Oroseiらは指摘している。地球でも見られるとおり、上部にある氷による圧力とともに、このことによって融点が低下して今回の湖が液体に留まることが可能になる。関連するPerspectiveにおいて、Anja Diezは今回の火星の氷底湖を地球の氷床下のものと比較している。

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