News Release

腫瘍が免疫系から身を隠す能力を制限する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

免疫系が腫瘍を識別して攻撃するために使っている特定のタンパク質を、腫瘍が隠せないようにする方法が発見された。新しい研究で、この新しい方法によってマウスのメラノーマと肺癌の広がりが低下したことが示された。ヒトの多くの癌は、ストレスタンパク質MICAおよびMICBを提示しており、免疫系、特にナチュラルキラー細胞は、このタンパク質を利用して排除すべき細胞を識別している。これに対抗するため、癌細胞はこれらの結合タンパク質を切断する酵素を産生し、このタンパク質を隠して検出を逃れている。Lucas Ferrari de Andradeらは、MICAおよびMICBタンパク質が切断される部位を標的とした抗体を使用すれば、腫瘍がこれらのタンパク質を隠せないようになるのではないかと考えた。メラノーマと肺癌のマウスモデルを用いてこのような抗体、mAb 7C6の効果を検討したところ、この抗体によって癌細胞上のMICAとMICBの存在が増加しただけでなく、ナチュラルキラー細胞の腫瘍内への侵入も増加したことが明らかになった。肺まで広がった転移性メラノーマのマウスでは、mAb 7C6の投与によって腫瘍量が減少した。関連したPerspectiveで、Adelheid CerwenkaとLewis Lanierは、「この研究は、ナチュラルキラー細胞をベースとした癌免疫療法を改善する能力を有する治療用のモノクローナル抗体という刺激的な概念を導入している」と述べている。

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