古典力学的世界と量子力学的世界の間の境界を調査する研究において、研究者らはナノ粒子でできた小さなガラスであって、個体の密度を備えたものを量子状態にレーザー冷却した。冷却、操作された粒子は、それ自体かなり小さいが、量子運動の調査のために非常に頻繁に使用される原子スケールの物体よりも数百万倍大きく遥かに複雑である。この新たな方法によって、これまで達成できなかった大質量の物体の量子操作が可能になり、巨視的量子力学をより広範に研究するための有望な機会が新たに提供された。量子スケールでは物体の挙動は特異であり、より大きな物体の物理的特性を理解するために使用される物理学は役に立たなくなる。量子力学的世界について我々が知っていることの多くは、小さい中でも最も小さな物、例えば、単一の原子、分子やイオンとして観測されてきた。より大きくて複雑な粒子の量子制御ができれば、基礎物理の試験ならびに古典力学的世界と量子力学的世界の間の限界および境界の調査のために前例のない機会が可能になると思われる。しかしながら、「巨視的」な固体粒子においてその様に極端な量子状態を達成することは、大きな挑戦である。レーザーを使用して、原子の光学的な励起、誘起および冷却することによって、個々の原子および量子気体の量子的性質の分離や研究が可能となった。同様の手法を使用して、Uroš Delićらは直径150ナノメートルで、1億個の原子が含まれた固体のガラス球の捕捉と浮遊を行った。室温から始めて、Delićらはナノ粒子をその運動の量子基底状態、温度にして約-273℃までレーザー冷却した。今回の論文の著者らによると、粒子の光学的な浮遊と制御を能力によって広範囲にわたる巨視的量子実験が円滑に進められることになる。
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