News Release

タツノオトシゴの四角柱の尻尾;その構造には利点がある

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Video of Seahorse Tail

video: This is a video of the tail of a seahorse (Hippocampus reidi), while grasping onto a dowel. It shows the high level of flexibility and motor control that they are capable of. view more 

Credit: [Courtesy of Dominique Adriaens, UGent]

このニュースリリースには、英語で提供されています。

タツノオトシゴの尻尾は四角柱である。その理由は、この形が損傷に耐えたり、何かに巻きつく場合に円柱型の尻尾よりも有利な点にあることが新しい工学研究によって示された。この研究から得られた見解は新しい甲冑のヒントとなり、ロボット工学の進歩につながるであろうと、著者らは述べている。特定のサルやトカゲ、齧歯動物といった尻尾を持つ動物の大半は柔らかな円柱型の付属肢を持ち、一方、タツノオトシゴの尻尾は骨板に囲まれた四角柱という構造になっている。タツノオトシゴの尻尾がなぜ標準的な形とは異なるのか、そして興味深いその尻尾の形にはどういった構造上の利点があるのかを詳しく解明すべく、Michael Porterらはその尻尾と仮説上の円柱型の尻尾の3Dモデルを作成した。Michaelらは両方のモデルをねじったり、曲げたり、木槌で叩いたりした結果、四角柱の尻尾はねじりに対し抵抗性が強く、もとの状態に戻りやすいことを発見した。四角柱の尻尾のねじりへの抵抗性は、タツノオトシゴの繊細な脊髄の保護に役立っている可能性がある。また、四角柱の尻尾の表面は、尻尾を何かに巻きつけるときの接触領域が大きくなり、これによって尻尾で何かを捉える動作もより上手くコントロールできることを発見した。また、四角柱の尻尾の方が復元力も強く、円柱型の尻尾ほど激しく変形することはない。この復元力は、関係するコンピューターアニメーションに示されているように、滑走関節によって強化されていた。科学者は長年にわたって自然から着想を得て救難ロボットのような新技術を設計してきた。今回の新しい研究により、とくに、タツノオトシゴの尻尾は硬くても適合性が高く(この性質は金属製のロボットでは達成が困難)、軽くても損傷に耐える(この性質はシリコンベースのロボットでの実現は難しい)といったことから、科学者らの設計の能力が向上するであろう。本研究はまた、工学的設計により、いかにして生物学的問題への答えが得られるかについても示している。Perspectiveではさらなる見解が述べられている。

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Article #8: "Why the seahorse tail is square," by M.M. Porter at Clemson University in Clemson, SC; D. Adriaens at Ghent University in Ghent, Belgium; R.L. Hatton at Oregon State University in Corvallis, OR; M.A. Meyers; J. McKittrick at University of California, San Diego in La Jolla, CA.


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