News Release

車のタイヤから出た化学物質によって川が有毒化し、ギンザケが死ぬ

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究により、太平洋北西部のギンザケにとって都市近郊にある川への産卵のための回帰は死滅行為となる可能性があり、その原因は車両用タイヤに一般的に使用される添加物にあることが判明した。この研究結果は、6PPD-キノン ―― タイヤゴム粒子の極めて毒性の高い酸化生成物 ―― が、川を有毒なものに変えるとともに、アメリカ太平洋北西部を回遊するサケの成体で観測される毎年の大量死の原因である可能性を示している。ここ数十年間、流出した雨水で汚染された都市部の川に回帰するギンザケの成体(Oncorhycchus kisutch)が大量死するという深刻な定期的事象が観測されてきた。都市化が最も進んだ流域では、母川回帰するサケの40~90%が産卵のチャンスを得る前に都市流出水大量死症候群(Urban Runoff Mortality Syndrome:URMS)で死ぬと推測される。URMSは雨水流出と関係がある、そしてタイヤトレッド摩耗粒子(TWP) ―― 淡水中のマイクロプラスチックの最大原因の1つ ―― とも関係している可能性があるが、サケを死なせる毒性物質は依然としてなにひとつ分かっていない。Zhenyu Tianらは液体クロマトグラフィー質量分析法と核磁気共鳴分析法を用いて、道路の流出水とTWPに関係する化合物を調査し、毒性化合物を探した。その結果、タイヤのゴムに使われている一次酸化防止化学薬品6PPDがオゾンと反応し、これまで確認されたことのない化合物6PPD-キトンを生成していることを発見した。Tianらによると、6PPD-キトンは非常に毒性が強く、1リットル当たり約1マイクログラムという濃度でサケの稚魚は死ぬという。さらにレトロスペクティブ分析では、この致死性の高い化合物はアメリカ西海岸一帯にある雨水の影響を受ける川に拡散していることが示された。「ギンザケの反応が特異的だとは考えらえない。他の水生種に対する6PPD変換生成物の毒性について評価すべきだ」とTianらは書いている。

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