News Release

組織工学の組み合わせにより椎間板ヘルニアに新たな希望

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Combined Tissue Engineering Provides New Hope for Spinal Disc Herniations (2 of 2)

video: Prof. Larry Bonassar of the Meinig School of Biomedical Engineering at Cornell University describes a new, biomaterials-based approach to repairing herniated discs. His team developed a two-part injection to both reinflate and patch herniated discs, restoring the mechanical function and preventing further degeneration. This material relates to a paper that appeared in the Mar. 11, 2020, issue of Science Translational Medicine, published by AAAS. The paper, by S.R. Sloan at Cornell University in Ithaca, NY; and colleagues was titled, "Combined nucleus pulposus augmentation and annulus fibrosus repair prevents acute intervertebral disc degeneration after discectomy." view more 

Credit: Cornell University

新しい有望な組織工学アプローチにより、椎間板ヘルニアに対する外科的一次治療法である椎間板切除術のアウトカムが、将来改善する可能性がでてきた。椎間板は、硬い外輪部である線維輪(annulus fibrosus:AF)と、ゼラチン状の中心部である髄核(nucleus pulposus:NP)という2つの要素から成るが、生きたヒツジを用いた6週間の実験で、椎間板のどちらの要素におけるダメージに対してもこの方法が有効な一次治療の1つであることが示された。椎間板ヘルニアが発生するのは、AF断裂によってNP組織が球根状に突出する時で、これにより近くの脊髄神経が圧迫される。こうした神経の圧迫は、強い痛みを引き起こしたり、極端な場合は感覚や運動制御を失わせたりすることがある。この圧迫を取り除くために、外科医は椎間板切除術を行って、突出したNP組織を除去することができる。しかし現時点で、除去されたNP組織を回復させたり、断裂したAFの損傷を修復したりするために承認された方法はなく、患者はさらなるヘルニア形成と、椎間板変性の進行のリスクに曝されたままとなる。これまでの組織工学の試みでは、AFまたはNPのいずれかのみを修復するのでは十分ではなく、良好なアウトカムを確実に得るには、両方の要素を修復しなければならないことが示唆されている。Stephen Sloanらは、この問題に取り組むにあたり、健康な結合組織や軟骨、筋肉および皮膚に存在する生体分子を利用した組織工学のアプローチを用いた。腰椎の椎間板切除術を行った生きたヒツジのNP内にヒアルロン酸を注射したところ、NP組織の水分補給と構造的統合性が改善した。次いでこの手術と同時に、損傷したAF組織の局所修復を行うために、架橋結合コラーゲンパッチを貼り付けた。6週間の実験期間後、著者らの併用法によりヒツジの椎間板の構造と機能が大きく改善した。Sloanらは、さらなる開発と試験を重ねれば、この方法により、椎間板切除術を受ける患者でアウトカムを改善するための情報が今後得られる可能性があると示唆している。

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