News Release

ヒトDNAを骨のない洞窟で発見

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

報告によれば、骨が残っていない洞窟堆積物の中から古代人のDNAが発見された。用いられた極めて感度の高いスクリーニング技法では、ネアンデルタール人の存在が推測されていたものの実証はされていなかった場所でそのDNAの配列まで特定できた。ゆえに著者らは、その技法はヒト(およびその他の哺乳類)の進化史を再現する貴重なツールだと述べている。今まで古代の人々のDNAを解析することにより、その進化について多くの情報を得て、解明が進められてきた。しかし更新世(氷河期と呼ばれることも多い)の化石は少ないため、この時期の古代人の動向については解明が遅れていた。Vivian Slonらは骨が残っていない遺跡の堆積物の中でもヒト亜科のDNAが存在し続けられるかどうかを調査することにし、古代人が住んでいたことが分かっているヨーロッパおよびロシアの更新世時代の7ヵ所の遺跡から85の堆積物試料を集めた。Slonらはこれらの試料の中に確認された哺乳類のDNAからミトコンドリアDNA (mtDNA)を抽出し、このmtDNAの大規模なスクリーニングの結果、4ヵ所の洞窟からネアンデルタール人のDNA、他1ヵ所の洞窟からはデニソワ人のDNAを発見した。今回の結果は将来、堆積物の中のDNA解析が有効な考古学的手法として確立される際に役立つと考えられる。

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