News Release

スマートフォンでコントロールされた細胞が糖尿病の抑制を助ける

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Smartphone-Controlled Cells Help Keep Diabetes in Check

image: Video shows bone progenitor cells labeled by red glow inside a cleared femur. view more 

Credit: [Credit: A. Greenbaum <i>et al., Science Translational Medicine</i> (2017)]

スマートフォンからの指示でインスリンを産生するよう作製された人工細胞は、糖尿病マウスで血糖値を正常範囲内に維持する上で有用であったことが新たな研究で報告された。世界中で4億1,500万人以上の人が糖尿病を抱えて暮らしており、血糖値を管理するために頻繁にインスリンを自己注射する必要がある。ヒトの細胞は、遺伝子操作によってホルモンやシグナル伝達分子を効率的に産生および送達する「生きた工場」にすることが可能であるが、合成された生物学的回路のほとんどでは、デジタルセンサーと同等の感度や精度が得られない。生きた組織とテクノロジーを組み合わせることで、Jiawei Shaoらは、遠赤色光(光療法用電球や赤外線サウナで用いられるのと同じ波長)に照射されるとインスリンを産生するカスタム細胞を作製した。研究者らは柔らかい生体適合性シース内にこの細胞を配置したが、このシースは外部電磁界によりスイッチをオン/オフできる、HydrogeLEDを生成するためのワイヤレスパワーの赤色LED光も備えていた。Shaoらは、糖尿病マウスの皮膚内にHydrogeLEDを埋め込むことで、スマートフォンのアプリケーションを介して遠隔操作でインスリンを投与することに成功した。研究者らは、スマートフォンの操作アルゴリズムをカスタムコード化したのに加え、正常な細胞シグナル伝達プロセス間の「クロストーク」なしにインスリンを産生するように人工細胞をデザインした。さらに、数週間にわたる小規模のパイロット実験において、Bluetoothを搭載した血糖値測定器とこのシステムを組み合わせることで、治療能力をもつ細胞と診断用デバイスとの間で即時のフィードバックを行うようにし、糖尿病マウスが安定した血糖値を迅速に達成し維持することを可能にした。著者らによれば、デジタル信号と人工細胞のリンクに成功したことは、同様の細胞ベースの治療の臨床適用に向けての重要なステップとなる。Mark Gomelskyは、関連するFocusでこの所見を詳細に論じている。

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