News Release

植物は日光を素早く吸収するほど生産量が増える

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

植物の集光能力とバイオマス生産を向上する光合成の操作方法が特定された。今後数十年間に世界の人々の食料需要が大幅に増加する際、光合成における不備な点も活かすというこの進歩は穀類生産の増産につながると思われる。林冠が風で揺れたり、雲が動いたりすることで慌ただしく変化する光と陰の量に植物は適応しなければならない。たとえば、直射日光の下では植物は太陽エネルギーの一部を熱として散逸することで過剰な日光から身を守っている。ただこの保護機構は、日光を浴びた途端に作動するものの、保護が緩んで自然な状態に戻るには時間がかかる。その結果、植物が雲の陰に入ると光合成の効率は準最適レベルになってしまう。Johannes Kromdijkらは今回、この緩和機構を操作することで植物の生産量は増えると考えた。彼らはタバコの木で、一翼を担っていると予想されるエネルギー散逸機構である光化学系ⅡのサブユニットPsbSとキサントフィルサイクルの2つに関係する3つの遺伝子を発現させた。安定した光環境の下では遺伝子操作した植物は対照群と同じ結果であった。しかし変動する光環境の下では、操作した植物の方が二酸化炭素固定で11%、光合成で14%上回った。さらに歯面積も木の高さも勝っており、全乾燥重量も対照群より14~20%重かった。温室と屋外で育った操作植物の場合も同様の結果が見られたとKromdijkらは報告している。Kromdijkらによると、重要なのは、PsbSもキサントフィルサイクルもあらゆる維管束植物に共通するものであり、これはつまり、理論上この種の効率促進操作はすべての主要作物に適応できることだという。

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