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ペプチドの異常な組み合わせが糖尿病に関与しているかもしれない

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

1型糖尿病(T1D)は、膵臓と脾臓で他のペプチドと誤って結合しているインスリン関連ペプチドと関連があると考えられることが、新しい研究で示唆された。これらの知見は、T1D患者の免疫系がインスリン産生細胞を攻撃する理由の謎を説明するうえで役立つと考えられる。最近、いくつかのエビデンスによって、ペプチド(細胞が様々なプロセスに利用している短鎖のアミノ酸)が果たしていると思われる役割が探索され始めた。Thomas Delongらは最近、T1Dマウスで、インスリン産生細胞に対する自己免疫反応を引き起こす抗原と関連ペプチド、WE14を同定した。しかし、WE14単独ではT1Dでみられる自己免疫反応を説明することはできなかった。このため研究チームは、共有結合したペプチドの組み合わせ(ハイブリッドインスリンペプチド(HIP)と呼ばれる)が、この反応を引き起こしているという仮説を立てた。2つのペプチドライブラリーを作成して相互参照し、WE14に関係しておりマウスの膵臓(インスリンが産生されている臓器)での発見頻度が有意に高い、多数の候補ペプチドを同定した。さらに、これらのハイブリッドペプチドは、個々のペプチドよりもT細胞に有意に容易に認識された。Delongらは次に、ヒトT細胞がこれらのHIPを認識するかどうか検討した。T1D患者2例から提供された検体の解析により、これらの患者由来の多数のT細胞がこれらのHIPを特異的に標的とすることが明らかになった。このことから、Delongらは、免疫系によるインスリン産生細胞の攻撃を促すことによって、HIPが、T1Dの病態形成に中心的役割を果たしていることを示唆している。

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