News Release

表面が常に変化するチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新たな研究によると、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)の表面において、崖全体の崩壊を含め、多数の変化が発見されており、これらの変化は季節の変化に起因している可能性が高い。この研究の成果は、時間とともに、この彗星の形状がどのようにして形成されたかについて解明する際に助けとなる。「ロゼッタ」彗星探査機は2014年12月~2016年6月の間、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)を調査して、その表面を高分解能で詳細に撮影するとともに、この彗星の内部太陽系における旅を綿密に観察した。Mohamed Ramy El-Maarry らは、この期間における表面の変化を分析することによって、彗星固有の風化、浸食および種々の過渡事象という多数のケースを明らかにした。この彗星の2ヵ所において崖の崩壊が観察されており、これらの場所では、前に存在した割れ目が崩れ、その結果、長さ数十mの物質の部分が崩壊した。種々の時間において取得された一連の画像から、この彗星が近日点(軌道経路において太陽に最接近する位置)に近づくとともに、ある場所に在る急勾配が最大5.4m/日で後退したことが明らかになった。 他の場所では、この彗星の表面にさざ波のような円形の特徴的な構造の存在が明らかになり、この構造が消滅して、新たな一組のさざ波が取って代わる前に、この構造の直径は3ヵ月未満で約100mに達した。この論文の著者らは、浸食および巨礫の移動を含め、大半の変化が近日点の近傍で発生していることを指摘し、これらの変化が、太陽光に晒されるパターンが変化することによって生じていることを示唆した。この彗星(67P)の首の部分にある割れ目など、この彗星の自転速度に関係している変化もあると、この論文の著者らは述べている。これらの特徴をすべて組み合わせることによって、この論文の著者らがこの彗星(67P)の表面の変化の速さについて判定することが可能になり、現在の軌道に存在しているより長い期間にわたって、この彗星が現在のアヒルのような形状を有していることが示唆されている。

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