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白亜紀初期の哺乳類の化石が発見され、耳の進化における空白の過渡期が明らかに

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によると、これまで知られていなかった白亜紀初期の哺乳類の種の化石が、複数の骨で構成される中耳が進化する最終段階の状態で発見された。本研究で発見された新しい種 ―― 中国の義県層で採集された化石標本が基になっている ―― は、哺乳類の系統樹にとって参考になり、哺乳類の聴覚器官が顎から分離する ―― この化石はこの過程の初期段階であった ―― ことによって、聴覚系と咀嚼系がかけ合っている物理的制約が取り除かれたという見解を支持している。これで将来の哺乳類のより優れた聴覚と咀嚼に向けた表現型の基礎が築かれたのである。私たちのような現代の哺乳類は、微細な3つの骨で複雑な中耳構造ができているおかげで鋭い聴覚を得ているが、これらの微細な耳小骨はかつては顎の一部で、最古の祖先では咀嚼と聴覚という2つの機能を果たしていた。顎の骨が3つの耳小骨からなる聴覚器官の形成に使われたという進化事象は広く知られているが、その間欠的な段階を示す化石を見つけるのはむずかしい。Fang-Yuan Maoは中国北東部の化石の豊富な熱河生物群で白亜紀初期の哺乳類の新しい種属‐Origolestes lii‐の化石を発見した。顎から離れたその骨は確実に哺乳類の中耳の進化における重要な最終段階の初期の形態学的状態だと考えられる。そうでなければこの段階は哺乳類の化石ではない。今回、Maoらは高分解能CTスキャンとその他の画像化処理を行い、保存状態の良いこの標本を詳しく説明している。例えばこの動物の耳の骨と軟骨の構造で、これはより古い種のように骨同士が接触していない。ここで示された顎関節と聴覚器官の分離は最終的に今日の哺乳類に見られる咀嚼系と聴覚系の多様性につながった。

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