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HIV感染症を抑え込むためにT細胞の標的を突き止める

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らは、女性においてHIV感染リスクおよび疾患の重症度を高める可能性のある一群の腸管常在免疫細胞を突き止めた。この所見は、炎症性腸疾患に対する既存の治療薬を、HIVに対する貴重な介入法としてリパーパシングできる可能性があることを示唆しているという。これまで長い間、腸管(体内で重要なウイルスのリザーバとしての役割を担うと考えられる部位)の免疫細胞がHIV感染において決定的な役割を果たすこと、またT細胞が血流内から腸管へと移動する能力はインテグリンα4β7と呼ばれる蛋白質に依存していることが認識されていた。南アフリカのクワズール・ナタールのHIV感染リスクの高い女性集団から、HIVを獲得する前に採取した血液サンプルを調べることで、Aida Sivroらは、α4β7を発現するT細胞の割合が高いことは感染リスクの上昇と相関することを明らかにした。α4β7発現T細胞の血中濃度とHIVリスクとの同様の関連が、ケニヤの性産業に従事する女性コホートでも認められた。感染した女性では、α4β7発現T細胞の割合が高いことはHIVウイルス量が多いこと、またT細胞減少速度の上昇(重症疾患の特徴)と相関した。重要なこととして、α4β7発現T細胞の血中濃度の上昇は、尿生殖路におけるこれらT細胞の割合と相関し、このことからHIVを制御するために可能性のある経路が示唆される。Sivroらは、非ヒト霊長類の実験的SIV感染において同様の傾向を観察した。著者らは、α4β7発現T細胞はHIVのウイルス感染における最初の標的の一つである可能性があり、これらのT細胞を標的とすることは予防または治療において有用となる可能性があると推測している。

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