News Release

血管内皮の機能を総合的に評価できる「血管チップ」を開発

~分泌因子EGFL7の機能解析に成功~

Peer-Reviewed Publication

Institute of Industrial Science, The University of Tokyo

The Microvessel-on-a-chip

image: Prof. Yukiko T. Matsunaga's research group used a model of a blood vessel created in the lab to study how a molecule called EGFL7 is involved in blood vessel sprouting and integrity. view more 

Credit: 2019 Yukiko Matsunaga, Institute of Industrial Science, The University of Tokyo

東京大学 生産技術研究所の松永 行子 准教授と大学院生の薄葉 亮らの研究グループは、ヒトの血管内皮細胞を手のひらサイズのチップの中で培養し、微小血管構造を人工的に作り上げた「血管チップ」を作製しました。さらに、このチップを用いて血管内皮ではたらく因子の機能を調べ、血管チップが、血管内皮の機能を総合的に評価できる系であることを実証しました。

網膜症・がんなどの血管関連疾患では、血管新生や血管の透過性の亢進が頻繁に見られます。有効な治療法を探索するために、これらの現象のメカニズムや関連する分子の機能解明が求められてきました。

今回解析したたんぱく質EGFL7は、血管新生が活発な組織で発現が上昇することが既に知られていました。その発現を抑えた血管チップを作製したところ、血管の新生が抑制され、透過性が亢進し、内皮細胞間の結合が弱くなっていることが分かりました。

本研究は、EGFL7の機能を明らかにするとともに、血管チップが血管内皮の総合的な機能解析に有用であることを示しました。血管チップによって、血管関連疾患の原因解明や創薬研究が加速することが期待されます。

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