News Release

手ごろな価格で利用しやすいアルツハイマー病血液検査の必要性

Reports and Proceedings

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

初の抗アミロイド免疫療法薬としてFDAによってアルツハイマー病治療のために最近承認されたアデュカヌマブを含め、アルツハイマー病治療薬が進歩していることを考えると、正確な診断を行い、治療の経過を評価するために利用できるような簡易な血液検査が必要とされている。Kaj BlennowはPerspectiveの中で、ADを対象とした血液検査の開発における進歩と、残された課題に焦点を当てている。アルツハイマー病(AD)は進行性の神経変性疾患で、重度の記憶障害と認知低下を引き起こす。ADについては多くのことが未知のままであるが、ADの進行には多くの場合、蛋白質であるアミロイドβ(Aβ)およびリン酸化タウ(pTau)の形成が特徴としてみられることが多く、これらが脳内でプラークおよび神経原線維変化を生じさせる。これらの蛋白質は、患者におけるADの診断および追跡のために、陽電子放出断層撮影(PET)または脳脊髄液(CSF)中のAβおよびpTau濃度測定によってバイオマーカーとして用いられている。これらの方法はADに対する信頼性の高い臨床診断を可能にしているものの、高価で侵襲性が高い。今回Blennowは、ADに対する血液を用いた広く利用しやすく安価なバイオマーカー検査の利用を主張している。著者によれば、こうした検査を用いることで、患者におけるADのスクリーニングおよび疾患進行のモニタリングを迅速かつ簡単に行うことが可能になるという。またこうした検査は、新規開発されたAD治療薬の臨床試験において、その治療効果の評価に用いることができるという。こうした目標の達成に向けて進歩がなされてきたが、いくつかの障害、例えばADに関する最も有用な血液バイオマーカーの同定・分類などの障害を克服する必要がある。しかし、Blennowは技術的進歩によって血液中の極めて微量の脳由来蛋白質の測定ができるようになっており、ADの血液検査が近い将来に実現する可能性が示唆されると指摘している。


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