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非在来型石油・ガス開発によって地表水の塩分濃度がわずかに増加

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

非在来型石油・ガス開発が米国水域の水質に及ぼす影響について、新たに行われた大規模サンプル評価によると、水圧破砕法を実施すれば周囲の地表水の塩分濃度がわずかながらも検知可能な増加を見せるという。この研究結果から、影響は小さいようだが、坑井の近くの水域に対して塩分濃度の監視を強化する必要があると考えられる。非在来型石油・ガス開発(UOGD)とは、水平掘削と水圧破砕法(HF)を用いて、シェール(頁岩)から石油や天然ガスの放出および抽出を行う方法であり、化石燃料を入手する重要な手段となっている。しかし、こうした開発が環境に及ぼす影響は、水質に及ぼす影響を含めて、十分に解明されてはいない。Pietro Bonettiらは、全米24地域にある4万6479ヵ所のHF坑井から得られたジオコード(地理座標)付きデータベースと、坑井近隣の水域から11年間に得られた地表水の水質測定値6万0783件とを組み合わせた。Bonettiらは、HFとの関連が知られているイオン(臭化物、塩化物、バリウム、ストロンチウム)の濃度に注目し、地表水中の数種類のイオンがわずかに増加することを見出した。特に近隣に坑井が設置された3~6ヵ月後に増加が顕著であり、このことは観測された汚染が新たな坑井開発に起因することを示唆している。関連するPerspectiveでは、Elaine HillとLala Maが「UOGDが急拡大してから20年以上たっているが、この技術革新による被害の全容と程度については、解明が始まったばかりである」と述べている。「今後、影響が出るメカニズムやその因果関係を明らかにして、今回得られた証拠を実行可能な政策に変えなければならない」


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