News Release

剛性で強い歯のエナメル質の人工類似物、ついに登場

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

製造が非常に難しかったものが開発された。研究者らが歯のエナメル質 ―― 生体模倣材料の設計には理想的なモデル ―― の人工類似物を発表したのである。これは、組成と構造が生物の歯の石灰化した硬い外層のものとほぼ同じになるように作られている。研究者らによると、それは並外れた機械的性質を有していると言う。天然歯のエナメル質 ―― 歯の薄い外層 ―― は人体の中で最も硬い生物材料で、わずか数ミリという薄さにもかかわらず、その剛性・硬度・粘弾性・強度・靱性が高いことはよく知られており、損傷抵抗もずば抜けている。歯のエナメル質の性質の他では見られないような組み合わせはその階層構造の産物であり、その複雑な構造は大部分が、非晶質マグネシウム置換リン酸カルシウムから成る非晶質粒間相(AIP)で相互接続されたハイドロキシアパタイトナノワイヤーでできている。しかし、この種の階層組織を機能拡張可能な非生物合成材料で正確に再現するのは依然として難しい。Hewei Zhaoらは今回、多重のスケールで不可欠な階層構造を持つ人工エナメル質を提示している。その人工歯エナメル質(ATE)は、ポリビニルアルコール存在下で二方向凍結を用いて並べられたAIPコーティングハイドロキシアパタイトナノワイヤーを使って作られた。著者らによると、これによってこの人工構造物に天然エナメル質のような原子、ナノおよびマイクロスケールの構造を持たせることができたと言う。Zhaoらは一連のテストで、そのATEナノ複合材料が高い剛性、硬度、強度、粘弾性、靱性を併せ持ち、エナメル質とこれまでに作られた材料両者の特性を上回っていることを実証した。


Disclaimer: AAAS and EurekAlert! are not responsible for the accuracy of news releases posted to EurekAlert! by contributing institutions or for the use of any information through the EurekAlert system.